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PNC TJ1603 98-002, 85 Pages, 1998/03
動力炉・核燃料開発事業団東海事業所放射線保健室には、高純度ゲルマニウム半導体検出器(HPGe検出器)による肺モニタが2台、低エネルギー用の高純度ゲルマニウム半導体検出器(LEGe検出器)が4台設置されており、ヒューマンカウンターとして使用されている。これらの検出器は分解能が極めて高く、内部被曝事故の発生時において迅速に摂取された核種を特定することが可能である。対外計測法による内部被曝線量評価には検出効率の情報が不可欠である。検出効率の校正は水ボックスファントムを使用して行うが、個人の体格差による補正は行われていない。しかし、広範囲の内部被曝事故に備える原子力防災対策の観点から、成人男性の標準体型との違いが大きい子供、女性、外国人に対して内部被曝線量の適切な評価が可能な測定方法が望まれてきた。さらに、水ボックスファントムは均一分布を前提としており、実際の人体内における不均一な線源分布に対する正確な校正は不可能であった。相対測定法による崩壊率決定の信頼性の向上には、計算ファントムや身長・体重を簡便な個人情報とする補正法が提案されている。これに対して本委託研究ではHPGe検出器の高い分解能に着目し、測定された線スペクトルの光電ピークと全計数から、線同時計測の原理の応用による崩壊率絶対測定法を提案した。本研究の目的は、HPGe検出器を使用し線同時計測による体内放射能絶対測定法を確立するための検討を行い、不均一分布に対応可能な測定法について基礎研究を行うことにあった。そこで線カスケード崩壊核種を対象として、1台の検出器を使用する線サムピーク法および複数の検出器を使用する-同時計測法を試み、実験値が理論値とよい一致を示すことを確かめた。さらに、均一および不均一な分布線源測定、角度相関、複雑な崩壊形式の核種に対して理論の拡張を行った。特に-同時計測法では、偶然同時計数による影響を測定で得られた情報のみから補正できるため、高い計数率においても実験値は真の崩壊率とよい一致を示した。さらに複合線スペクトルにおいて線カスケード崩壊核種の崩壊率から、他核種の崩壊率決定を試みた。これらの基礎研究により本測定法が体内放射能測定に広く適用できることが確かめられた。
曽根 徹; 青山 卓史
PNC TN9520 95-015, 15 Pages, 1995/08
高速実験炉「常陽」の1次系カバーガス中の不純物(KR、XE)の分析法として、カバーガス濃縮装置の操作法、GE半導体検出器による線計測装置の操作方法及びデータ処理法についてまとめた。
間辺 巖; 吉田 真; 沼宮内 弼雄
Radioisotopes, 32(11), p.559 - 562, 1983/00
放射線管理用の試料の線スペクトルを自動的に測定するための大型しゃへい体と試料交換装置を開発し、その評価を行った。装置は環境管理用の試料が測定可能な15cm厚の鉛しゃへい体と、各種形状の試料が60個まで並べられる自動試料交換装置で構成される。本装置を用いて同一の試料を繰り返し測定した結果、試料が検出器上に置かれる位置がずれることにより生じる測定誤差は2%以下であった。またしゃへい体の横に設置した試料架台上の試料からの放射線による影響を調べた結果、放射能の弱い環境管理用試料の測定に対しても支障がないことが明らかになった。本装置の開発により多種多数の試料の連続測定が可能になり、測定業務の能率が飛躍的に向上した。
永山 雄大; 前田 智史; 岡崎 勤; 依田 朋之; 三枝 純
no journal, ,
福島環境安全センターでは福島県内で採取した環境試料の放射能測定を実施している。使用している低バックグラウンド(BKG)Ge検出器の測定においてBKG計数中に放射性セシウムのピークが見られ、目的とする検出下限値を担保するためにこのBKGの低減化が課題となった。そこでBKGを低減するための調査、対策の実施、並びにその効果を検討した。
辻村 憲雄; 吉田 忠義; 星 勝也
no journal, ,
居住制限区域等で除染等作業に従事した労働者の作業服等を対象に、高純度Ge半導体検出器による線核種分析を実施した。測定結果をもとに、高濃度汚染土壌に相当する50万Bq/kg(= 500Bq/g)の土壌中放射能濃度を仮定した場合の表面密度を試算したところ、作業服・手袋については、表面密度限度(40Bq/cm)を超える汚染は生じそうにないこと、一方、長靴については、主として農地の除染作業で使用されたもので100Bq/cmを超える汚染が生じるであろうことが推定された。
前田 智史; 依田 朋之; 岡崎 勤; 三枝 純
no journal, ,
原子力機構笹木野分析所では5台の電気冷却式HPGe検出器を有している。精度管理のため1日2回の日常点検(温湿度, ピーク位置, 半値幅, ピークカウントの確認)を行ってきた結果、室温が2C変動すると1ch程度エネルギーがシフトする傾向が見出された。各値をトレンドグラフ化することで検出器の異常を早期に予見できる例もあった。
前田 智史; 依田 朋之; 岡崎 勤; 大谷 周一; 三枝 純
no journal, ,
原子力機構福島環境安全センター笹木野分析所にて運用している電気冷却式Ge検出器の日常点検データを精査し、電気冷却式Ge検出器の冷却温度とエネルギーシフトとの関係を調べた。その結果、室温変動幅とエネルギーシフト幅の間に相関があり、室温上昇幅1Cに対しCo-60(1333keV)のピークエネルギーが0.30.5ch高エネルギー側にシフトしていることを見出した。このエネルギーシフトは電気冷却の場合の方が液体窒素冷却の場合より35倍大きかった。一方、室温と検出器の冷却温度の関係を見ると、室温変動1Cに対して冷却温度は約0.34C変動し、室温変動から2060分遅れて追随した。電気冷却では結晶温度を担保しきれず室温の上昇に伴い結晶温度が上昇し、結果として大きなエネルギーシフトにつながっていると推察される。
三枝 純; 前田 智史; 栗田 義幸; 依田 朋之; 武石 稔
no journal, ,
福島環境安全センター放射線計測技術グループでは東京電力福島第一原子力発電所事故対応に伴う各種環境試料の放射能分析を実施しており、放射能分析の信頼性を確保するための各種取り組みを実施している。これらの取りくみのうち、(1)検出器の環境バックグラウンド低減化、(2)異なる充填高さの試料に対するGe検出器効率補正パラメータの整備、(3)電気冷却式Ge検出器の日常点検データの解析、(4)ISO/IEC17025国際試験所認定の取得、について報告する。
米沢 仲四郎*; 柿田 和俊*; 高橋 孝紀*; 青野 辰雄*; 前田 智史; 阿部 敬朗*; 荒川 史博*; 木方 展治*; 秋山 正和*; 松村 勇*; et al.
no journal, ,
日本分析化学会(JSAC)が主催した玄米認証標準物質及び魚類認証標準物質の国際共同比較試験(IICE)の結果、我が国の試験所の共同分析結果から決められたCsの認証値は、効率曲線法におけるサム効果の補正不足によってIICEの平均値より2%4%低いことが分かった。現在、我が国の多くの試験所ではCs等からのカスケード線のサム効果補正には、Gamma StudioとGamma Explorerの2種類の線スペクトル解析プログラムが使われている。JSACの放射能標準物質作製委員会は、これらのプログラムによるサム効果補正を検証するため、Csの標準線源を利用した共同実験を実施した。